退職届・退職願・辞表の違い
名前が似ているせいで混同されがちですが、この3つは意味がはっきり違います。特に退職届は原則撤回できないので、どれを出すかは提出前に確認しておいてください。
| 書類 | 役割 | 撤回 |
|---|---|---|
| 退職願 | 退職したいと会社に願い出る(お願いの段階) | 会社が承認する前なら可能 |
| 退職届 | 退職を正式に通告する(決定事項の届け出) | 原則不可 |
| 辞表 | 役員・公務員が職を辞するときに使う | 原則不可 |
会社員の転職であれば、使うのは退職願か退職届のどちらかです。「辞表を叩きつける」という言い回しのイメージで辞表を書いてしまう人がいますが、一般社員は使いません。
提出の流れとタイミング
書面をいきなり出すのではなく、まず直属の上司に口頭で伝えるのが鉄則です。上司より先に人事や同僚に伝わると、それだけで関係がこじれることがあります。
- 直属の上司に口頭で退職の意思を伝える(アポを取って個別に)
- 退職日を相談して決める
- 会社の書式・指示に従って退職願または退職届を提出する
期間の定めのない雇用契約では、原則として退職の申入れから2週間で契約が終了します。一方、契約期間が決まっている有期契約は扱いが異なります。まず雇用契約と就業規則の退職規定を確認し、引き継ぎに必要な期間も含めて直属の上司へ早めに相談してください。
書面に入れる項目と文例
必要な項目は決まっています。手書きの場合は白い無地の便箋に黒のボールペンか万年筆で、縦書きが一般的です。
- タイトル:「退職届」または「退職願」
- 導入:本文の書き出しは「私儀、」(わたくしぎ)
- 本文:退職理由と退職(希望)日
- 提出日:書類を提出する日付
- 所属・氏名:部署名と氏名を書き、氏名の下に押印
- 宛名:会社の代表者(代表取締役社長)宛て。敬称は「殿」または「様」
退職願の本文(退職日を願い出る形)
私儀、このたび一身上の都合により、勝手ながら2026年10月31日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
退職届の本文(退職日が確定している形)
私儀、このたび一身上の都合により、2026年10月31日をもって退職いたします。
違いは末尾だけです。退職願は「お願い申し上げます」、退職届は「退職いたします」と言い切ります。ここを混ぜて書いてしまう人が意外と多いので、清書の前にもう一度見比べてください。
退職理由は「一身上の都合」の一択
本当の理由が転職でも結婚でも介護でも、書面には**「一身上の都合により」**とだけ書きます。具体的な理由を書面に残す必要はありませんし、書かないのが失礼にあたることもありません。会社都合退職(倒産・解雇など)の場合だけは「一身上の都合」と書いてはいけません。失業給付の条件に関わるため、「部門縮小のため」など事実を書きます。
封筒のマナー
- 白い無地の封筒を使う(B5の便箋なら長形4号、A4なら長形3号)
- 表面の中央に「退職届」または「退職願」、裏面の左下に部署名と氏名
- 便箋は三つ折りにして入れ、糊付けはしない(その場で確認できるように)
- 手渡しが基本。郵送指示があった場合のみ、添え状を付けて郵送する
書面はテンプレートで整えるのが早い
縦書きのレイアウトや宛名の位置は、白紙から作ると意外と時間を取られます。Kimarunの退職願・退職届テンプレートなら、所属・宛名・日付を入力するだけでA4一枚に整った書面ができます。
参考にした公的情報
制度・様式は更新されることがあります。リンク先の最新情報も確認してください。
よくある質問
退職届と退職願はどちらを出せばよいですか?
まだ会社と退職について相談する余地がある段階なら「退職願」、退職日が確定して正式に通告する段階なら「退職届」です。多くの会社では、上司に口頭で相談したあと退職願を提出し、承認後に会社の指示があれば退職届を出す流れになります。
退職届はいつまでに提出すればよいですか?
期間の定めのない雇用契約では、原則として退職の申入れから2週間で契約が終了します。一方、有期契約は扱いが異なります。まず雇用契約と就業規則を確認し、引き継ぎ期間も含めて直属の上司へ早めに相談してください。
退職理由は具体的に書く必要がありますか?
ありません。転職・結婚・介護など実際の理由が何であっても、書面上は「一身上の都合により」と書くのが慣例です。具体的な理由は書面ではなく、上司との面談で必要な範囲だけ伝えれば十分です。
